ADHDの原因は遺伝と環境 子どもの二次障害を防ぐ親の関り

ADHDの80%は親からの遺伝が原因で、親の育て方ではありません。

また、親がADHDであっても必ず子供が遺伝するとは限りません。

特性も10歳頃には急速に落ち着いてくるといわれます。(症状は続いても我慢できるようになる、社会性がでてくる)

しかし、発達障害は大人になって二次障害を伴いやすく、それまでの親の関りが重要になってきます。

ADHD遺伝の割合

両親共にADHDがあると、その子どもにADHDが遺伝する確率は54%

父親か母親のどちらかにADHDがあると、その子どもがADHDが遺伝する確率は50%

兄弟姉妹にADHDのこどもがいる場合、いない場合に比べ25%~35%上がる(5~7倍の率で発症する)

ADHDの原因

遺伝的原因

環境的原因

  •  妊娠中の異常(妊娠中毒症、母親のストレス)
  •  出生時の父親の年齢
  •  出生時の異常(未熟児、低体重出生)
  •  出生後の感染症 乳幼児期の病気

* 機能不全家族による虐待やネグレスト

親の不安

ADHDの子どもはやるべきことをやらなかったり、他の子どもとのトラブルで学校から連絡がきたりで、親は叱ることが多くなります。

原因は、ADHDの特性にあります。

新奇追求傾向、不注意、退屈が苦手、じっとしていられない、せっかち、耐性に弱い、怒りやすい など。

そのため、人と関わりが一方的になりがちです。他の子供と違うことで親は不安になりやすい。

報酬系とは、満足感、達成感を得る系です。報酬系の低下により、充足感が不十分で、報酬の強化が十分に出来ないため、待つことを最小限にするための衝動的な行動、注意を他の物にそらし気を紛らわせるなどの代償行動として、多動性や不注意が現れると考えられています。 こころの健康 ADHD(注意欠陥多動性障害)の理解と対応

挑発と反抗

同じADHDの子どもでも集団生活で違いがあります。それは自ら問題をおこしていく子どもです。

ADHDの子どもは共通して行動が妨げられたり気にいらないことに激昂したりしますが、それは事象に反応しています。

自ら、頻繁に相手の嫌がる挑発や暴言暴力などの困る行動をしてしまう子どもがいます。

不安定な心

子どもは不安定な心を表現できません。トラブルの多い子どもが、叱られるので家には帰れないともらすことがあります。

ADHDの子どもは特に、心と行動が裏腹に出ていたりすることが多いのです。

ADHDと環境

ADHDは、愛着障害、その他の二次障害を伴いやすいことが分かっています。

純粋なADHDに、環要要因が加わわることで、子供に違いがでてきます。

こじれてしまう原因

  • 育てにくく親の愛情を受けにくい
  • 親もADHDで、子どもに向き合うのが苦手
  • 親の関心が他の兄弟にいく状況(誕生や受験その他)
  • 夫婦の不和(別居、離婚、再婚)

受容と時間

ADHDの子どもは規律や集団行動からどうしてもはみ出してしまいます。健常者と同じようにはなりません。

見方を変えれば、ADHDの子どもはとてもエネルギッシュで他の子どもにはない発想(ユニーク)があり、とても多才です。

「そのままでいい」という親の絶対受容が、子どもの心の安定につながり二次障害を防ぐことになります。

愛着が安定していれば、幼い頃、多動や不注意がみられてとしても、小学4年生頃から急速に改善する。だが、愛着が不安定な場合は、症状が落ち着くどころか、逆に反抗や問題行動が激化していくのである。 死に至る病 岡田尊司 p192~

叱らない方法

強い反発に反発(叱る)しても跳ねかえってきます。本人の強い苦痛があるからです。

トラブルが多い子供は、それまでも叱られることが人一倍多い上、周囲から愛情を受けにくいことが多だ考えられます。

叱る行為は、叱る側がすぐに効果を求めることになりかねず、子供が自発的に行動に至らなければその場限りで意味がありません。

児童の支援の場で、子供の激しい暴力を止めるため、しっかり抱えることで子供の力がみるみる緩んでくることがあります。

何人かの子どもにもみられることから、ハグ(抱える)やスキンシップの効果も有効であると実感しています。

暴れる際に、子どもの手を強く握りしめる(受け止める)+ 正面であればしっかり顔をみる(向き合う)ことです。しだいにおさまってきます。

激しい暴力のある子どもは、自分が大事にされたいという思いが奥底にあるので、叱る(注意)のではなく、その子どもをまず慮ることです。

発達障害の子どもへの働きかけは、異なる一般(定型発達)の子どもとはで、自分が承認されて、周囲の声が入ります。

なので、日頃から指摘を多く受ける発達障害の子どもには、まず自己肯定感(安定感)が育まれるように関わらなければなりません。

反発が強い発達障害の子どもに”叱る(厳しい注意、指摘)は”、逆に反発を強めてしまっていた可能性があるのです。このことは、そのように見えない大人も同様です。

発達障害の根本的な原因である視床下部の機能は、オキシトシンなどの物質だけでなく、電磁波などの波動も大いに関係していると考えられるからです。そういう意味では、単なる薬という物質ではなく、実際に母親が子どもに接して抱きしめ、母親の視床下部の波動を子どもに伝えることが、視床下部の機能を改善するのにきわめて大事であると私はかんがえています。 発達障害を改善するメカニズムが分かった! 鈴木昭平 篠浦伸禎 p193~

行動の位置づけ

発達障害の子どもに「相手の気持ちになって」という言葉かけは、なぜ相手のためにそうしなければならないのか分かりません。

このことは、大人の当事者会で、親子や夫婦の関係において焦点になった課題です。

当事者の考えとして挙げられたのは、自分が幸せに生きること、自分に何かしらの利点(合理性)が無ければ行動に結びつかない、ことなどです。

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まとめ

親は、言って聞かせることが優先になってしまいがちですが、子どもも自分が受け入れられなければ耳を傾けられません。

正しいことを教えようとしても、そうなる主な原因は脳の働き方(ストレス)なので、何度も何度も繰り返してしまいます。

ダメなことは、その度にスキンシップで止めてあげてください。良いことは凄くほめてあげてください。自己肯定感を積み重ねていける関りが、鍵になってきます。

改善をすぐに求めないことで子どもとの関係を築き、子どもの心に安定がもたらされるのです。

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