知的障害とは何か?精神遅滞 は成長とともに知能の発達は追いつくのか?

知的障害は精神遅滞ともよばれ、他の発達障害のADHDや自閉症スペクトラムと併発していることが多い。

この3つは、脳の機能障害で症状も似ている部分も多く診断が難しいといわれます。

併発の有無や症状の度合いによっても様々で、軽度であればまわりに気付かれないことが多い。

このことが発達障害が重度でしか認知されない、分かりづらい要因でもあります。

また、知能の発達はゆっくり成長していき、完治することはありません。

知的障害の診断は主に、知能指数であるIQが診断基準になっています。

発達は成長とともに追いつくのでしょうか。そしてどういう行動をとりやすいのでしょうか。

知的障害 発達障害 理解障害

この3つは、同じ障害のことをあらわし、違う言葉で呼んでいます。

精神遅滞(知的障害)は発達障害の中の一つで、知的の発達がどこかで止まります。

発達障害は全般に認知の障害から、理解できないことが多くあることから理解障害ともいわれます。

知的障害 精神遅滞 精神薄弱

この3つの言葉はほぼ同義語になります。

どのように違いがあるのでしょうか。

精神遅滞とは医学用語であり、知的障害とは1998年の法改正から学校教育法の用語です。

それまでは精神薄弱といわれていました。

精神遅滞とは

知能短期記憶が十分に働かないことです。

知能とは、視覚、聴覚、臭覚、味覚、触覚、温度感覚、痛覚、平衡感覚、運動感覚を通じて情報を得て操作し利用することです。

精神遅滞の人は一度に多く記憶することができず、覚えるのに長い時間がかかり、日常生活の知的行動に問題が生じてきます。

人間関係や社会的なルールの理解ができずトラブルがおきやすくなります。

そして知能の発達は、16歳~20歳くらいの間に終わります。

知能の発達は4つの段階に分けられます。

精神遅滞の人は知能の発達がゆっくり進んでいき、第1段階から第2もしくは第3段階で止まってしまいます。

知能の発達は16歳~20歳くらいの間に終わるので人によってどの段階で終わるのか違ってきます。

よって精神遅滞 は、成長とともに知能の発達が追いつくことはありません

知的能力障害の検査

境界知能(軽度)から重度ではひらきがあり、併発が伴えば特に、同じ障害であるかは一般では分かりません。

一般は、IQ100前後といわれます。

境界知能    IQ70~85

軽度知的障害  IQ50~70

中度知的障害  IQ35~50(一般の理解)

重度知的障害  IQ20~35

最重度知的障害 IQ 0~20(寝たきり)

発達障害とは

主に、注意欠陥多動性障害(ADHD)、自閉症スペクトラム障害(ASD)、そして知的障害があります。

これらの発達障害は脳の機能の障害で、10人に一人いるといわれ、親の育て方や病気、精神疾患ではありません。

脳の機能とは認知機能のことで、理解力、記憶力、計画力、実行力、想像力のことです。


知的障害 とりやすい行動

私たちが行動をおこすときには知能から得た知識と、それとは関係なく無意識ですがいつも感情もともなっています。

例えば、こうしたい、ああしたいという意思です。この二つで意思決定をし行動に移り、その行動が新しい経験として続いていきます。

1 感情表現がストレート

精神遅滞の人は、自分の言動が相手にどう影響を与えるかということが考えられません。

また、感情の起伏も激しく抑えることがなかなかできません。

このことからとても子供っぽく見られます。そして他者認知も苦手です。

相手が自分より立場が上の場合でも「ため語」であったり、上から話したりします。

このことは自己認知にも原因があります。(理解力)

2 思ったままに行動することが多い

後先のことも考えず行動してしまうので失敗も多い。(想像力)

常に今だけに意識があるため、過去の経験を生かすことが難しい。

好きなことだけをしやすい、金銭感覚に欠ける。(計画力)

忘れやすいことから、学ぶことが難しくなります。(記憶力)

3 自分からは行動しようとしない。

自分の存在が他の人に関心をもたれていると思えるような経験をしたことがないと、自分からは行動しようとしなくなります。

精神遅滞の人は周りからとても消極的に見えます。(実行力

4 自尊心が低い

自尊心は周りの人の接し方で決まってしまうので、普段から理解されることが少ない精神遅滞の人は自尊心が低くなりがちです。

これらのことから、併発や症状の度合によって異なりますが、成人しても共通して様々な逸脱行為に及びやすい

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健常者の行動との違い

精神遅滞の人は、興味や関心事が、多くの人と違いがあります。

そして、大抵の人は行動をおこす際にまわりの人がどう思うか客観的に考え行動をします。

しかし、精神遅滞の人は上記のいくつかの障害特性から、独りよがりな行動をとりやすい。

自分のことで精一杯で、他人のことまで気にする余裕はありません。(他者認知)

認知機能の、理解力、記憶力、計画力、実行力、想像力、の中で、他者を理解する能力が一番高度な能力といわれます。

自分以外の相手は、予想もつかない言動があったり、本心はどう考えているかはとても分かりにくいものだからです。

こちらの記事もご覧ください→行動障害を未然に防ぐには? 知的障害という世界を知ることから~そして理解へ

まとめ

多くの人が同じような行動をとるのは、どの人も大体同じような経験をしているからです。

ですので多くの人は、その人が何を考えているかがおおよそ分かるものです。

しかし、精神遅滞の人は多くの人と違った環境や経験をもっていて、情報も追いつかず変わって見られがちです。

そのため、まわりから理解が得られにくい。それは変わっているというより、今までの経験に従って行動しているだけなのです。

社会の基準は大多数である健常者の認識で決めらるため、障害のある人にとって生きづらい。

しかし、自分に噓がなく正直で取り繕うことがない自然なありようは、いつの時代でも人を惹きつけるものがあります。

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