大人の発達障害 コミュニケーションの問題を改善、克服する

大人の発達障害の人に多いコミュニケーションの問題は、どのように改善できるのでしょうか。

自信をもって生きられるか、不利な点ばかりにとらわれて自己否定に陥ってしまうか分かれ目になるのは、やはりコミュニーケションの問題の克服にあります。

人間関係の問題は誰しもの共通課題です。そもそもコミュニケーションの問題はなぜ生じるのでしょうか。また、発達障害の人にとってコミュニケーションが難しいといわれるのはなぜなのでしょうか。

コミュニケーションの問題の原因

情報処理のタイプが異なる

脳の働き方に違いがあった。得意な情報処理のタイプ、そしてその対象もかで異なります。

考え方や行動の大きな隔たりは、実はこのことに関係し、人間関係の悩みの根因にあるといっても過言ではありません。

これほど重要なことを、今もなお多くの人が気付いていません。

なので、異なるタイプを知ることにより極力トラブルを回避したり、より良い関係を継続できる可能性がでてきます。

そもそも発達の仕方が違うタイプが、一定割合づつ存在するのである。それは、どちらかが優れているとか、どちらが正常かという問題ではなく、異なるタイプなのである。中略 それぞれタイプの異なる発達の仕方があり、異なる情報処理の特性を持ち、社会性情緒認知行動面でも異なる特性を示す。 p6

定型発達の場合、に関する情報処理が、に関する情報処理よりも優れている。些細な表情から感情を読み取ることができるし、相手の発言の微妙なトーンから言外のニュアンスを感じ取ることができる。
非定型発達障害では、こうした社会的情報処理が概して苦手であり、相手の感情や微妙なニュアンスを読み取り損なって、コミュニケーションがうまくいかないということも起きる。 p178

対人関係では不愛想で、社交性に欠けていたり、強情で柔軟性が乏しかったり、言葉でうまく伝えられないと爆発しやすかったりする。 p178
発達障害と呼ばないで 岡田尊司

克服が困難な原因

感覚過敏や鈍麻、メタ認知(想像力)、記憶力、制御力 が弱い。
などの特性の困難を抱え、周囲から誤解されやすいために自信を失いやすかったり、支えを得にくかったりします。

一般の人とペースも異なります。例えば、頭の回転が速い多動の人は、日頃からまわりが遅く感じ、待てなくてイライラしやすい。


早道(結果を考えず)を行けるのに遠回りしなければならない(
早くゴール(答え、成果)に着けるのに無駄(バランス)を強いられる)

と感じられるでしょう。コミュニケーションにおいても展開が早かったりします。一般に合わせるとなると、本来のぺースから逆行するようなものです。

ASDの人ならば、細部に注目する(こだわり)特性を全体を見るようにする、またメモリー量が多すぎて覚えすぎるのを制限することになります。

それぞれ、本来のの働き方を意識的に制御せねばならず困難を要す。共通した傾向から、その人の性格ではないことが分かります。

こちらの記事もご覧ください→イライラして怒りやすいのは脳機能の低下が原因 大人の女性ADHDの特徴

こちらの記事もご覧ください→その浮気、不倫は治らない 発達障害ADHD無関心な夫、妻、彼氏、彼女、の心理

コミュニケーションの問題を克服する

発達障害の特性はネガティブなことばかりではありません。障害と才能は背中合わせといいます。

その能力や才能は健常者の比ではありません。逆に健常者よりチャンスは大きいといえるのです。

短所も長所と紙一重で、自身の強みを生かし活躍している人も多くいます。その為にはコミュニケーションの問題をクリアする必要があります。

どのように克服するかですが、何事もそうですが同じ経験をしてのり越えられた人に聞くことが何よりです。

そこで、コミュニケーションの能力の改善に努め、自信の才能を伸ばし成功体験を積まれた当事者のASDの方にご協力をお願いし、快くご承諾を頂きました。以下にご紹介させて頂きます。

こちらの記事もご覧ください→発達障害ADHDに向いている仕事 適職、天職と合わない、避けたい職業とは?

こちらの記事もご覧ください→知的障害(精神遅滞 )は成長とともに知能の発達は追いつくか、とりやすい行動とは

 ASD当事者Sさんに聞く

Q.    実際に、どのようにしてコミュニケーション能力の改善に努めてこられましたか?

発達障害の特徴として、先天性のものはとくにそうですが、感覚の鈍さ・鋭さが一般の方と違うという問題があります。 私の場合は、それらの事象を感覚的に統計立てて、一般の中間値を意識するようにしました。

Q.
 中間値となると主張を抑えることになり、当事者の方にとって厳しいところでしょうか?

自分がストレートに反応したいことをすぐに表現せず、一考してその中間値的な反応をするよう心がけるようにしました。 このためには、第一に「自身を好きになる」ということと、それと同等に「他者を好きになり、思いやる心」を育む必要があるかと思います。 このときに、他者から感謝される“成功体験”を積み重ねることが、自身の幸福度を上げて、続けるモチベーションになると考えています。 誰にでも通ずることですね。

Q. そのように実践していくことは実際には難しく、相当時間を要す、もしくはやはり限られた人になるのでしょうか?

自分の可能性について自信を喪失されている方や、他者への関心が弱い方は、時間がかかるのではと思います。 ただ、限られた人ではなく、多くの方に少なからず有効なのではと思います。 “気付き”“成功体験”が鍵だと考えています。

まずは自分をスタンダードとせず、他の人との違いに気付く努力が必要ですね。 この気付きで、自分が他者に傷つけられることがある一方で、自分が他者を傷つけていること(あるいはその可能性)を認識できます。

自分を大切にすること自分を中心にすること。 自分の過失を指摘されること人格否定されること。 この似て非なることを認識することが、まずスタートになりますので、ここからまず心を開いていく必要性がありますね。

Q. 似て非なることを認識する → 発達障害がまだ一般によく認知されていないことからも、本人や家族の認知が最も難しいところではないですか?

私以外の家族は、それを認知しようとしませんでした。 一番難しい場合は、この本人が認めたくない場合であると思います。 私は、子供のときから自分自身を分析して対応しましたが、親はそれを認知しようとしてくれませんでした。 いわゆる「うちの子に限って」という文句で一蹴されてしまったのです。 そのため私が診断を受け正式に認識したのは、結婚して子供ができたあとのことでした。

Q. 「ありのままを受け入れる」とよくいいますが、それは適切だと思われますか?

「ありのままを受け入れる」私は、この部分がトラップであると考えています。 例えば、与えるだけの関係は、どちらかが一方に対して依存しており、これは信頼関係ではなく共依存の関係です。 ありのままを受け入れてしまうということは、一方に問題があった場合、その態度や言動を受け入れるという行為によって、受け入れてくれる人のみへの依存を引き起こします。 それらの問題は、理屈として到底受け入れられない大半の一般の人たちにとっては、看過できないことですから、受け入れてくれる人は限定的な逃げ場所になります。 結果として、社会から隔絶させてしまうことにもなりかねません。 これと似た性質でいえば、“多様性を受け入れる”ということですが、これは私個人の考えでいえば、反対意見も受け入れることだと認識しています。 しかし、今はこの多様性という言葉は、今までマイノリティだった人たちの反撃ののろしとなってしまっています。
家族関係でも友人関係でも、恋愛でも仕事でも、与えてもらい・与えられる人になることが、真の信頼の鍵であり、互いの心を開く鍵であると思います。

学ぶことが非常に多く、大変勉強になりました。感謝致します。ありがとうございました。

こちらの記事もご覧ください→知的障害を伴う自閉症ASDの子供の行動障害を軽減する 自閉症の世界、才能とは

こちらの記事もご覧ください→大人の発達障害 ADHD女性、男性 恋愛、結婚が出来ない、続かない、難しい原因

まとめ

異なる存在があって我を顧みることができます。また同じものの存在だけでも、発展と存続の両立はし難かった。
共通する人生の意味も目的もここにあります。異なる存在が一つになる、歩み寄ることであると。

こちらの記事もご覧ください→互いの違いを知ることで生きやすくなる 異なる大人の発達障害の特性

こちらの記事もご覧ください→大人のアスペルガーADHD特徴 発達障害 軽度なほど問題な理由