子供が、元気でパワフル、少しもじっとしていない、何度言っても聞き分けがない。
親は、ADHDの多動症ではないかと思い始めます。
多動症の子供とそうでない子供は、いったい何が違うのでしょうか。
ADHDの特性は、ASDの子供と違い早い時期には特性があらわれません。
特性があらわれるのは4歳以降で、遅くても7歳ころにはっきり分かるといわれます。
中には、小学校入学後も気づかず12歳ごろに分かることもあります。
多動症があまり目立たず不注意だけの場合、ADHDであるのか青年期以降も分からないこともあります
多動性の診断基準

子供の多動症を、保育園や幼稚園の先生から、その傾向があると親に伝えられることがあります。
日頃から多くの子供を見ていて、気付くことが多くあります。
向き合っても目が合わない、いつも人の話を聞いていないよう、少しもじっとしていられない などです。
多動症の子供の兆候
DSM-5 ADHDの診断基準
- 着席中に、手足をもじもじしたり、そわそわした動きをする。
- 座っていなければいけない場面で席を離れる。
- 不適切な状況で、走り回ったり高いところに上がったりする。
- 静かに遊んだり、余暇を過ごすことができない。
- 衝動に駆られて、突き動かされるような感じがして、じっとしていることができない。
- しゃべりすぎる。
以下の多動性/衝動性の特性が6つ以上あり、6か月以上にわたって続いている。
こちらの記事もご覧ください→イライラして怒りやすいのは脳機能の低下が原因 大人の女性ADHDの特徴
病院を選択する
子供の発達障害を診れる、専門外来のある病院を選択する。
- 小児科
- 脳神経小児科
- 児童精神科
現在、発達障害を専門に診れる医療機関はまだ少ないのが現状です。
近隣の医療機関を調べて直接聞く、もしくは発達障害者支援センターで相談して紹介もしてもらえます。
- 発達障害の診療が行える医師一覧
日本小児神経学会「発達障害診療医師名簿」
検査と診断方法
子供が発達障害であるかを診断する方法は主に、病院での問診になります。
その内容は、1歳6か月健診、3歳児健診の結果、母子手帳の記載などの記録を診ます。
その他、運動発達、言葉の発達、対人コミニケーション、保育園や幼稚園、小学校、塾での様子を伝えます。
子供を遊ばせてその様子を良く診る、行動観察もあります。
また、子供の特性や発達が何歳レベルであるかを診る発達検査があります。
内容は、運動、言語、コミニケーション発達の特性で、困難なことは何か調べます。
- 合併症を診断する検査
脳波検査 ー 発達障害はてんかんと合併することがあります。脳の疾患や異常があるかCTやMRI、脳波検査で調べます。
知能検査 - 知能指数、精神年齢、知能偏差値を測定します。発達障害と知的障害が合併してないかを調べます。
識別検査 - 発達障害と似ている障害と見分けるため、遺伝子検査、血液検査行うこともあります。
こちらの記事もご覧ください→知的障害(精神遅滞 )は成長とともに知能の発達は追いつくか、とりやすい行動とは
病院へ持参するもの
- 母子手帳、筆記用具
- 乳幼児健診の結果
- 育児日記や、日頃から子供の気になっている言動を書き溜めていたメモ
- 保育園、幼稚園、学校の先生とのやり取りの連絡ノート
- 子供の様子を写した動画
- かかりつけの病院からの紹介状

多動症への対応
いかに子供の自己抑止力を高めるかです。
ADHDの子供の対応として、まずはスピードが求められます。
それには、前もって起こりうる状況をある程度想定し、備えることが重要です。
それには、親や先生がそのことを十分に理解し覚え、即決の行動がとれるよう練習することも必要です。
こちらの記事もご覧ください→ADHD子供の多動の特徴 いかに備え敏速に対応するか
こちらの記事もご覧ください→軽度の子供ADHDの症状とは?早期発見と早期介入 特性を把握し適切な対応をする
まとめ
ADHD子供の多動症の対応として、起こりうる事態にいかに備えるかです。
しかし、無理に子供を抑えることはその場限りの対応であまり意味がありません。
親はひとりで抱え込まず、保健所などの公的機関や医療機関、病院で相談が受けられます。
多動の特性を理解し、根気強く焦らずに冷静な対応が求められます。
こちらの記事もご覧ください→ADHDの原因は遺伝と環境 子どもの二次障害を防ぐ親の関り
こちらの記事もご覧ください→知的障害を伴う自閉症ASDの子供の行動障害を軽減する 自閉症の世界、才能とは